陳述書(債務者)(令和元年7月3日)|疏乙8

令和元年7月3日

東 京 地 方 裁 判 所 御 中

東京都東村山市久米川町3丁目28―4

 

陳 述 書

債務者                             前 田 史 門

 

私は,債権者根本美樹氏から,不当にも,私が組織する労働組合であるDMUの活動を盗聴・盗撮されたばかりか,この度,DMUの存在を否定し,私個人を債務者とするSLAPP訴訟を提起されたので,そのことに関して以下陳述します。

 

1 根本美樹氏について

根本氏は,昨年の夏頃までデイズジャパンに勤務していましたが,体調を崩して休職され,その期間中,面談のためデイズジャパンの顧問である特定社労士の事務所に呼び出されたところ,その場で退職を申し出て退職された方です。

この事は,私自身がプレカリアートユニオン(以下「申立外労組」)のアルバイト職員として,その特定社労士の方が作成した書面を現認したので,間違いありません。

しかし,根本氏は,申立外労組の代表者を名乗る清水直子こと関口直子氏と親しい人物に「団体交渉をすれば残業代が手に入りますよ。」と勧誘され,申立外労組に加入しました。

私は,アルバイト職員としてデイズジャパンとの団体交渉の補佐を任され,デイズジャパンの代理人弁護士が在籍したさくら共同法律事務所での団体交渉にも,関口氏,根本氏とともに同席して書記係を務めました。

このように,デイズジャパン事件には,私自身が深く関与していたのですが,関係する打合せなど業務上のコミュニケーションの中で根本氏が述べたところによれば,根本氏が申立外労組に加入した動機は上記のとおりでした。私としては,根本氏の行為は,金銭だけが目当ての醜い行為だと思いましたが,アルバイトの立場で組合員の加入動機に口を出すのもどうかと思ったので,その感想を根本氏に伝えたことは一度もありません。

根本氏は,結局,デイズジャパンから500万円以上もの和解金を引き出すことに成功しました。その後,そのお金をつかって,パレスチナなど中東地域を長期間旅行したと聞いています。

根本氏は,日本に戻ってきてから,しばしば,申立外労組に顔を出すようになりました。

ところが,私がDMUを結成し,申立外労組に団体交渉を申し入れた前後から,根本氏のタイムカードが設置されるようになりました。そして,後に述べるように,根本氏は,何ら怨恨や利害関係がないはずの私に対して,盗聴・盗撮行為を働き,挙げ句の果てには,申立外労組の意を受けて,「私の目の前でICレコーダーを作動させようとした」といった明らかなウソを理由として本件申立をするなど,組合潰しの中心人物となっています。

そのため,私は,根本氏について,申立外労組における非正規労働者の組合活動弾圧を目的として,関口氏から特別にスカウトされた者ではないかと疑っています。

2 私について

私は,平成28年6月26日から申立外労組の組合員であったところ,平成30年5月頃,アルバイトとして採用され,3月18日に事実上懲戒解雇されるまで,平均して150時間前後働き,毎月,約17万8000円の賃金を受けて勤務していた者です。

申立外労組には,現在300名程の組合員がいると聞いていますが,私のようなアルバイトでなければ,このような賃金を受領することはできません。そのため,「一般組合員」という表現はあたらないと思います。この点は,タイムカードを所持している根本氏についても同様です。

3 3月18日の出来事について

3月18日,私は,いつも通り申立外労組に出勤しました。

もっとも,3月9日にDMUの結成を公然化し,団体交渉を申し入れて以来,13日には団交拒否をされ,「分派活動」と因縁をつけられるなど,統制処分が云々というトラブルの予兆はありました。

しかし,申立外労組の組合員としての組合加入契約と,アルバイトとしての労働契約はあくまでも別個の法律関係なので,申立外労組から明示的に通知されない限りは,私の判断で,一方的に出勤を取り止めることはできません。

その日の出勤の正確な時刻は記憶していませんが,10時から11時頃だったと思います。

私は,申立外労組で多数の仕事を任されていましたが,その日は,C事件の資料を整理して,私が所有する資料が綴り入れられていれば,コピーを申立外労組に残した上で原本を持ち帰ろうと思っていました。

数ある過去の事件資料の中でもC事件を選んだ理由は,万が一,統制処分の件でトラブルになって申立外労組への立入を妨害されることになれば,嫌がらせとして私の資料を返却してもらえないということを懸念したからです。

とはいえ,このような資料整理自体は,申立外労組のアルバイトの日常の業務として,空いた時間に処理することが認められ,また期待されているものでした。

そこで私は,あわせて10部ものファイルが入った「C事件」の箱を棚の上から降ろし,机の上に大きく拡げて,「C 1」のファイルから順番に,それらを処理し始めました。

私は,ファイルを1個ずつ取り出し,複写機の上で1頁ずつ点検し,私の所有に係る原本がないかどうかを,慎重に確認しました。というのも,私の記憶では,前職であるCからの給与明細や源泉徴収票など,重要な書類の大部分を,これらのファイルに入れた覚えがあるからです。

そして,時に該当する書類を見つけ,それを私のカバンに入れる前に,複合機を使って申立外労組のためにコピーしました。その時にコピーした資料は,今でも,申立外労組に保管されているはずです。

4 根本氏の出現

私が出勤して30分ないし1時間が経過したころ,根本氏が申立外労組にやってきました。

私は,前日である3月17日,「臨時執行委員会」と称する集会に呼び出され,関口氏や中野千暁こと太田曉彦氏に不当なつるし上げを受けたのですが,その際に,根本氏がイヤホンを着けて作業している際に,私がN氏と交わした会話が,なぜか関口氏の知るところになっていたことに気がつき,これは根本氏が会話を密告したからに違いないと推測したので,根本氏には警戒していました。

ちなみに,私がN氏に発言した内容は,正確には,「不当解雇されたら,事務所の前で街宣をやる覚悟だ。」というのもので,根本氏の陳述は,一部ウソの内容を含んでいます。未だ紛争にもなっていない段階で街宣活動をするのは違法行為ですし,私も労働組合の職員なのですから,それぐらいの常識は持ち合わせているつもりです。

5 根本氏との会話

私は,根本氏が来たので,17日の経験を踏まえ,「私とNさんとの会話を,清水さんに告げ口したことはありますか。」と尋ねました。私は,根本氏に恨みを買うようなことをした覚えは一切ないのに,もしも,使用者に売り渡すようなことをされたのであれば,強く抗議せざるを得ないと考えたからです。

根本氏は,「そんなことはしていませんよ。」「だって,私は,イヤホンを着けて作業していたじゃないですか。」と答えました。

3月14日,根本氏がイヤホンを着けて作業していたことは真実だったので,私は,それ以上追及することができませんでした。そこで,怪しいと思いながらも,「そうですか,それは良かったです。大変失礼しました。」と告げ,会話を切り上げた覚えがあります。

根本氏は,着席してからパソコンを開き,暫くすると,あれこれと私の作業に文句をつけ始めました。その一部は根本氏の陳述書にも記載されていますが,その際の私の反応については,明らかにウソの内容が書き連ねられています。

私は,根本氏に「許可をもらっているのですか。」と言われた際は,「私や髙木さんのような書記局アルバイトは,一個一個個別に許可をもらうのではなく,空いた時間に,使用済となった資料のスキャンをしています。」と答えました。また,「今,スキャンしているものが……いけないと思います。」と言われた際には,「C事件は,根本さんも知っている通り,私の前職で,組合で団体交渉をした結果退職した会社です。その資料が,組合に関係がないということはあり得ないと思います。」と回答した記憶があります。

その他にも,根本氏は,何やら根本氏のパソコンと私のところを往復しながら,何度も私のところにやって来て,上記のような文句を付けはじめました。根本氏は私の上司でも何でもなく,私のアルバイトとしての職務を監督する立場にないことから,私はひどく不快に思いました。

しかし,どんなに小さなことでも,トラブルを起こせば解雇事由にされかねない情勢だったので,業務を妨害されて困惑しつつも,私は,粘り強く根本氏の質問に答えました。

そうした質疑が8往復ぐらい繰り返された頃でしょうか,根本氏は,私に話しかけるのをやめて静かになり,なにやらパソコンで作業を始めました。

私は,N氏との会話の件を踏まえれば,きっと良からぬことをするつもりだろうと考え,作業を継続しながら,なるべく頻繁に背後を振り返るようにしていました。

すると,案の定,根本氏は机に置いてあったICレコーダーを手に取り,そのスイッチをオンにしながら,電話機の裏面のところをめがけて腕を動かし,設置しようとしました。

私は,その瞬間を捉えて,振り向いて根本氏に近づき,「何してるんですか。」と話しかけました。その後の会話は,疏乙3,疏乙4の通りです。この会話は,私が自衛のために携帯していたICレコーダーに収録されていたものですが,会話の直前まで複写機の作動音がしていることからもわかるように,根本氏は,ICレコーダーを動作させようとした際,決して,「私に分かるように作動させようとした」のではなく,複写機を使用している私の背後で,ひそかに,その盗聴を試みたのです。

この事実は,申立外労組における複写機や机,電話機の位置関係がわかれば自ずと白黒が付くのですから,私からも一応疎明しましたが,職制者として申立外労組を占有している根本氏の側で写真を提出するなどして,きちんと反論していただきたいと思っています。

なお,私が根本氏の主張を「後日認めてくれた」という陳述もありますが,一体何のことかわかりません。本当に悪質なでっち上げです。

6 その後の会話について

疏乙3,4の会話の後,根本氏は,私にICレコーダーを作動させようとした現場を取り押さえられたにも拘わらず,「盗聴はしていない。」などと,意味が分からないことを言っていた覚えがあります。

そのため,私から「今日の会話が証拠として出てきたら,それ自体が,盗聴したことの証拠になりますよ。」と注意したのは事実です。また,机に上に置いてあったICレコーダーのうち1つを取り押さえ,内容を確認したことは事実ですが,私の持っているICレコーダーと仕様が異なり,少し操作しただけでは,録音されていたことの証拠を摑むことはできませんでした。

本来であればSDカードなどの記憶媒体を慎重に確認するところでしたが,C事件の資料を投げ出して事務所中のICレコーダーをいちいち確認することは現実的ではなく(複写機は隣に入居している東京管理職ユニオンと共用のものです。),断念しました。

それ以外のやり取りは私の記憶になく,根本氏や竹村和也弁護士の創作だと考えます。

根本氏は,私に盗聴行為がバレた後,電話機の裏面に置いたICレコーダーの使用は諦めたようでしたが,その後も,パソコンを使って,熱心に関口氏と連絡を取っている様子でした。

私の記憶では,申立外労組の事務所には同じ型のICレコーダーが4つ常備されていたので,他のICレコーダーで再び盗聴を開始したか,根本氏のスマートフォンやパソコンを盗聴に利用したことも考えられると思います。何にせよ,私は,複写機に戻り,従来の作業を続けなければならなかったので,根本氏の行動をずっと監視し続けることは叶いませんでした。

後日,不当労働行為救済審査事件の中で,申立外労組は,根本氏が,「その所有する電話機の録画機能をオンにした上で机の上に置いた」ことを自白しました。根本氏は,ソニー製の比較的新しいスマートフォンを使っていたと思いますが,スマートフォンの録画機能をオンにすると,当然のことながら周囲の音も録音されるので,根本氏は,ICレコーダーだけでなくスマートフォンでも盗聴をしていたばかりか,盗撮までしていたのだとわかりました。

7 統制処分について

その日の12時半過ぎ,私は,C事件の資料を整理し終えたので,そのことを示す附箋を貼ってから事務所を出ました。

外出中であった13時40分頃,関口氏から,「制裁の通知」と題するFAXを受信しました。私が,それ以前に,関口氏から統制処分に関する通知を受けていた事実はありません。

根本氏の陳述では,午前中の会話の時点で既に統制処分が決まっていたことになっていますが,もしそうであれば,関口氏が私に電話したり,テキストメッセージを送ったりして告知すればよかったはずであって,根本氏にだけ伝達して,しかも,それを根本氏を経由して告知することすらしないで,録音・録画しろと命じたというのは不合理です。

そのため,この時点においては統制処分が決定されていた事実はなく,その最終的な協議をしていたところ,少しでも多く解雇理由を収集したいと考え,録音・録画しろと命じたのではないかと推測します。

8 本件ブログについて

本件ブログの内容は,必ずしも私が執筆したものではありません。

そのため,ここで深くは立ち入りませんが,私と申立外労組との間でトラブルがあったとしても,それは,根本氏には何ら関係がないことですし,不当労働行為審査の場もあるのですから,そこで白黒が決着するまで,安易に介入すべき問題ではありません。

そのため,根本氏は,関口氏に指示されたとしても,私には盗聴,盗撮行為はできませんと断るか,少なくとも私にその事実を告げ,堂々と録音・録画を開始すべきだったと思います。

恐らくはタイムカードに基づく報酬を約束されているからだと思いますが,金銭さえ貰えるならと組合の仲間を使用者に売り渡す卑劣な行為を実際にやってしまったのですから,まさしく「無自覚にユニオンの命令のまま違法行為を繰り返した」といえるのではないでしょうか。

根本氏ら申立外労組の職制者らやそれに近い者の違法行為については,後日,解雇無効の問題とあわせて,弁護士を立てて一斉に提訴する予定ですが,その判決に基づいて私やDMUにきちんと賠償金を支払うのは無論のこと,金銭に魂を売って人道にもとる行為をした責任を取り,謝罪してほしいと思っています。

また,本件ブログのどこを見ても,根本氏が「盗聴行為を行った犯罪者」だとする指摘は1つもありません(盗聴行為は,それ自体としては犯罪行為を構成しません)。根本氏は,本件ブログの読み方を誤り,一般人の理解とは離れた解釈で一方的に不安に陥り,あれこれと被害を妄想をしているのではないでしょうか。

それに,根本氏がデイズジャパンに在籍した事実は,根本氏に承諾をもらうまでもなく,根本氏のFacebookなどで一般に公表されているものです。

私は,毎日最低賃金に近い給料で必死に働き,組合活動にも取り組んでいるところ,こうした妄想に基づく訴訟を提起されてかなりの時間を奪われ,ひどく迷惑しています。

9 最後に

このように,根本氏がやったことの不当性には著しいものがありますが,仮にも人権問題を扱うジャーナリズム企業で編集者をしていたのに,金銭と引き換えに労働者の尊厳を売り渡した事実の重大性をよく自覚し,SLAPP訴訟といった恥ずべき行為の上塗りに及ぶのではなく,過去を清算し,真人間としての生き方に立ち戻ってほしいものです。

また,「労働弁護団」と称して「労働者の権利を擁護する」と謳い,その常任幹事まで務めながら,まるで経営法曹団の弁護士のようにしてでっち上げのストーリを練り出し,裁判所を欺いて非正規労働者の権利を弾圧する竹村和也弁護士には,心底失望しました。

このSLAPP訴訟とでっち上げの陳述書の件については,後日,弁護士会に懲戒請求をして,弁護士としての適格性を慎重に審査してもらうつもりです。

 

以 上

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