審査の実効確保の措置勧告申立書(被申立人)|令和元年7月9日

平成31年(不)第20号
申立人   DMU民主一般労働組合
被申立人  プレカリアートユニオン

審査の実効確保の措置勧告申立書

令和元年7月9日

東京都労働委員会会長殿

被申立人代理人弁護士 中 村 優 介

被申立人は、頭書事件について、次のとおり、審査の実効確保の措置を勧告するよう求めます。

第1 勧告の名宛人

〒189ー0003
東京都東村山市久米川町3丁目28ー4
DMU民主一般労働組合
代表者  前田 史門

〒189ー0003
東京都東村山市久米川町3丁目28ー4
前田 史門

第2 求める勧告の内容

申立人及び前田史門は、本件審査が終結するまで、申立人名義のブログ、ツイッターを含むインターネット上において、被申立人代表者を含む所属の組合員を名指しした書き込みや被申立人の会計帳簿の公開をしてはならない。

第3 勧告を求める理由

1 前田氏によるインターネット上における名誉毀損行為等

前田史門氏(以下、「前田氏」という)は、現在に至るまで、申立人名義のホームページ(以下、「本件HP」という)及びツイッターアカウント(以下、「本件ツイッター」という)を用いて、事実と異なることを記載したり、組合員の名誉を毀損する表現行為を用いながら、被申立人所属の組合員を名指しして批判してきている。

頭書事件の第1回調査期日までに現れていた具体的な表現行為の内容については、すでに頭書事件の被申立人準備書面(1)12頁以下において詳細に主張したとおりである。かかる名誉毀損行為等は、被申立人の中心メンバーの多数人に向けられており、被申立人側の本審査手続に対する出頭・証言などに強い萎縮効果を生じさせ、審査手続の円滑、迅速な進行を阻害する行為である。

なお、被申立人の書記長である中野千嘵こと太田曉彦及び組合員である根本美樹は、それぞれ、東京地方裁判所に対して、名誉権侵害等を理由として、前田氏を債務者として本件HPの記事を削除するよう求める仮処分を申し立てた(令和元年(ヨ)1584号及び同1585号)。

2 その後も被害が拡大していること

前田氏は、その後も本件HP及び本件ツイッターにおいて、名指しした上で、個人の名誉を毁損する表現を用いながら、組合員個人を非難している。

(1)佐藤智秋に対する緋謗

前田氏は、令和元年6月17日、本件HPにおいて、組合員で専従者でもある佐藤智秋(以下、「佐藤」という)が、専従者となる前で組合活動の一部について行動費を受け取っていた頃、被申立人が会社と行った団体交渉に出席したことについて「行動費」を請求し受領したことをもって、佐藤が「金銭を着服した」。また、当該受領行為が「業務上横領罪、詐欺罪といった犯罪行為にあたることもまた明らかだ」などと記載した。

また、本件ツイッターにおいて、「横領犯の佐藤智秋氏」と、佐藤が犯罪行為に及んだということを断定的に記載した。佐藤は、団体交渉に出席するが行動費支給の対象となっていないことを認識していた。もっとも、佐藤は、悪意をもって行動費の請求をしていたわけではないし、本件HPにおいて指摘を受けるまで、自身が行動費を誤って受け取っていたこと自体も記憶になかった。

佐藤は、令和元年6月11日、誤りを確認し、該当部分の行動費相当額である4800円(1時間当たり1200円を4時間分)を、被申立人に対して返金した。そもそも、佐藤による上記の行動費の請求及び受領は、佐藤が被申立人の金銭をその占有下において管理していたことはないから、刑法上の横領罪に該当するものではない。また、組合員が行動費を受け取るには、当該組合員が被申立人の金銭管理者である執行委員長である清水、書記長の中野千嘵又は顧問税理士の佐藤郁子氏に対して行動費の請求をし、そのチェックを受けて行動費を受領することとなっている。

佐藤は、あくまでも誤って行動費の請求をしたに過ぎず、行動費請求行為が欺罔行為にあたるものとはいえない。また、金銭管理担当者においても行動費の扱いにおいてミスをしただけのことであるから、佐藤が行動費請求を行ったときの金銭管理担当者が佐藤の行動費請求行為において錯誤に陥ったとは、到底評価できるものではない。

このように、佐藤の行動費請求行為は、刑法上の犯罪行為に該当しない。

そうであるにもかかわらず、前田氏は、佐藤が犯罪行為に及んだことを当然の前提として、前記のように、佐藤が犯罪者であるかのような表現行為を行つているのである。かかる名誉毀損行為等は、被申立人の中心メンバ一の多数人に向けられており、被申立人側の本審査手続に対する出頭・証言などに強い萎縮効果を生じさせ、審査手続の円滑、迅速な進行を阻害する行為である。

(2)吉田直希(組合執行委員)に対する誹謗

前田氏は、令和元年6月13日、本件ツイッターにおいて、「執行委員の吉田直希氏までもが、交通費を水増し請求して着服していた疑いが浮上しました。」と記載した。これについて前田氏は、このツイートに続けて、添付の画像は、「2017/10/14土曜日の執行委員会に、所沢市在住の吉田直希氏が出席した際の往復交通費の記録です。西武沿線の方はお気付きでしょうが、所沢新宿間は340円。400円といえば……特急レッドアローの指定席料金です!しかも往復!PUの規定上、近距離特急料金は明確にアウトです。」との記載がある。

上記ツイートに添付されていたのは、被申立人の会計帳簿であるところ、組合員の吉田直希が、西部新宿一所沢間の交通費として740円受領していることがわかる。これは、西武新宿一所沢間の片道の交通費が370円であることから、往復分として受領したものである。

前田氏は、事実が異なるにも関わらず、西武新宿一所沢間の片道交通費が340円であることを前提として、400円分を「水増し請求して着服していた」などと記載し、吉田があたかも泥罪行為に及んだかのような表現を行っているのである。

(3)被申立人会計帳簿の無断公開

ところで、前記(2)で述べた吉田に対する誹謗の前提となったのは、前田氏が占有している被申立人の会計帳簿の写しである。

被申立人の会計帳簿は、組合員の個人情報が記載されているために非公開としている。前田氏が被申立人の会計帳簿の写しをどのようにして入手したかは定かではないが、前田氏は、被申立人に無断で、入手した会計帳簿を画像データ化し、これをインターネット上にアップロードしているのである。このような前田氏の行為は、外部への公開が予定されていない情報を無断で、しかも、インターネット上という一度公開されればその完全なる削除が容易ではない空間に公然と暴露するものである。

かかる行為は、被申立人において内部の運営が混乱を極め、本審査手続に対する活動を無意味に停滞させ、審査手続の円滑、迅速な進行を阻害する。

(4)小括

以上のように、前田氏は、本件HP及び本件ツイッターを用いて、現在に至るまで、組合員個人を名指しして批判し、また、その名誉を毀損する表現行為を繰り返しているのである。前田氏は、かかる行為によって、被申立人側の本審査手続に対する出頭・証言などに強い萎縮効果を生じさせ、さらには、被申立人内部の運営は混乱を極め本審査手続に対する活動を停滞させることで、審査手続の円滑、迅速な進行を阻害するものである。

なお、前田氏は、上記の各表現行為について、申立人名義であるから前田氏個人に責任がない旨主張することが予測される。もっとも、本件HPの管理者は前田氏であることが、ドメイン名登録情報検索サービスである「whois」によって特定されている。そのため、本件HPの管理権を有するのは前田氏であることに疑念の余地はない。

また、本件ツイッターでは、「DMU前田」などと、前田氏自身が更新していることを示唆する表現がなされている。

そして、令和元年7月1日、中野が前田氏を債務者として申し立てた前記記事削除仮処分事件(東京地方裁判所令和元年(ヨ)1584号)について、東京地方裁判所は、中野の申立てを認容する旨の決定をした。

これらのことから、本件HP及び本件ツイッタ一は、申立人名義で前田氏により更新されていることが明らかであるところ、被申立人は、申立人及び前田氏を名宛人として、本申立てに及ぶ次第である。

3 結語

以上のことから、被申立人は、前記第2記載の勧告を求めるものである。

以 上

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