陳述書(債権者/被申立人|根本美樹氏)|令和元年5月22日|乙第12号証|

陳述書

2019(令和元)年5月22

東京地方裁判所御中

債権者  根 本 美 樹

私は、前田史門さん(以下「前田さん」といいます)から、ドメイン名「DMU.OR.JP」のブログ(以下「本件ブログ」といいます)に掲載した記事で、プライパシーや肖像権等を侵害されていますので、そのことに関し、以下陳述します。

1 私のユニオンでの立場

私は、2018(平成30)年6月に、労働組合であるプレカリアートユニオン(以下「ユニオン」といいます)に加入しました。立場は一般の組合員です。前田さんも、ユニオンの組合員ですが、現在、ユニオンと紛争を抱えています。

2私の前職のこと

私は、2012(平成24)年9月から2018(平成30)年6月まで、株式会社デイズジャパン(以下「デイズジャパン」といいます)で勤務していました。デイズジャパンは主に月刊誌である「DAYSJAPAN」を発行しており、私は企画営業の業務に就いていました。

「DAYSJAPAN」は、国内外の環境問題や核問題、戦争、難民問題、貧困、児童労働、その他人権問題などを取り上げるフォトジャーナリズム誌でした。出版以外にも救援・支援活動も行っており、その仕事にはやり甲斐を感じていました。しかし、デイズジャパンの代表取締役であり、フォトジャーナリストの広河隆一氏(以下「広河氏」といいます)が複数の女性スタッフに対し性暴力等を行ったとの告発記事が報道され、デイズジャパンの社会的信用は失墜してしまいました。

河氏は、デイズジャパンにおいて、絶対的な存在として立ち居振る舞っており、デイズジャパンでは労働基準法などの労働関係諸法規が守られている状況にはありませんでした。

私は、広河氏からパワーハラスメントを受け、不当解雇されたことを理由にユニオンに加入しました。団体交渉の末、2018(平成30)年9月に退職和解となり、デイズジャパンとの間の労働問題は解決しました。言うまでもないことですが、私は広河氏が行ってきた不当・違法な行為(性暴力等)には全く関与していません。

3前田さんとのやり取り

前田さんは、ユニオンからの処遇等に不満をもっておられるようで、「DMU民主一般労働組合」(以下「DMU」といいます)なる組織を立ち上げたと聞きました。前田さんは、その「代表者書記長」を名乗っていました。そのうち、前田さんの行動がエスカレートし、ユニオンにおいて前田さんに対する統制処分が検討されることになったようです。

当時、私は前田さんに対して統制処分が検討されていることは知りませんでしたが、2019(平成31)年3月14日、前田さんが、ユニオンの事務所内において、組合員のNさんに対し、「DMUでユニオンに街宣活動をする」と大声で話していたのを聞き、大変驚きました。その場には、前田さんとNさんの他には私しかいませんでした。

私は、そのことを念のため、ユニオンの執行委員長である清水直子さん(以下「清水さん」といいます)に伝えました。その後、前田さんは、ユニオンから聴聞を受け、組合員の権利停止の処分を受けたようです。後から知りましたが、処分が決定したのは3月17日のようです。

2019(平成31)年3月18日午前10時頃、前田さんが、事務所にて、ユニオンの複合機を用いながら何か作業していました。前田さんは、何か急いでいるようでもあり、異様な雰囲気で作業していました。いつもなら前田さんがいない時間帯であることも不審に思いました。当時、私は前田さんが統制処分を受けたことは知りませんでしたが、不審に思いました。

しかし、事務所には前田さんの他には私しかおらず、私は、清水さんに連絡し、前田さんが事務所の複合機を用いて何か作業をしていますとお伝えしました。清水さんから、前田さんの統制処分が決定していることをそのときお聞きしました。清水さんは、私に対し、「前田さんに止めるように伝えてください」と依頼されました。

そこで、私は、前田さんに対し、「許可をもらっているのですか」「今、スキャンしているものが組合に関係のない私用で使うものならやってはいけないと思います」と穏当に注意しました。すると、前田さんは、「許可なんてもらう必要はない」「あなたには関係ない!」などと激高し、私の注意を聞きませんでした。清水さんに連絡したところ、清水さんからは「録音・録画しておいてください」と伝えられました。

私は、事務所にある1Cレコーダーの使い方が正確には分かりませんでしたが、そのICレコーダーを用いて録音しようと思い、前田さんにも分かるとおり、ICレコーダーを持ち出し録音しようとしました。すると、前田さんは、さらに激高し、「何してるんですか!」と私に詰め寄りました。私は、正確に伝えようと思い、「記録しています」と伝えました。前田さんからは、「清水さんから?」と尋ねられたので、その点も「はい」と答えました。

しかし、前田さんは「人権侵害」などと激高したため、私は動揺してしまい録音をすることはできませんでした。後から分かったことですが、前田さんはその際のやり取りを録音していたようです(本件ブログにアップロードされています)。また、前田さんは、私に対し「録音した」などと激高し、「その録音したものがユニオン側から証拠として提出される」、「そうなったら、私はあなたを相手にする」などと責め立てられました。

私は、録音していませんでしたので、「録音などしていません」と何度も説明し、納得させるために仕方なく私のスマートフォンやICレコーダーを見せて前田さんに確認させました。結果、前田さんは、「分かりました。やっていないんですね」と納得していました。

4 本件ブログの記事掲載

しかし、前田さんは、本件ブログで私を非難し、その名誉を毀損する投稿を繰り返しています。

(1)私が「犯罪者」であるとの記事

ア 記事の内容について

申立書別紙記事番号1~4、6、11にあるとおり、前田さんは、根本が「盗聴器をしかけるという不当労働行為を繰り出し」たこと、「性犯罪企業デイズジャパン出身」の根本が「アウティング・人権侵害・秘密録音」をしたこと、「深刻な数々の性犯罪事件で知られるブラック企業デイズジャパンで長年働いていた」「札付き」である私が「盗聴・秘密録音」したこと、私が前田さんを盗聴するため盗聴器を電話機の裏に設置したこと、「性犯罪企業デイズジャパン」出身の私が「常時盗聴」していたこと、私が「盗聴」・「盗撮」行為を行っていること、私が「デイズジャパン(広河隆一氏)」から「人権侵害のDNA」を持ち込んだこと、私が「前職において深刻な人権侵害を見逃しながら長年働いてきたばかりか、プレカリアートユニオンの職員として、盗聴行為という重大な違法行為・不当労働行為を現に行って」いること、私が「数々の性暴力、深刻な犯罪行為で知られたデイズジャパンの元従業員である」ところ「秘密録音、盗聴、盗撮といった違法行為」を行っていること、私は「プレカリアートユニオンのアドルフ・アイヒマン」であり「デイズジャパン元従業員」であること、私は、「非正規労働者の人権を踏みにじるために働く、まるでナチスドイツでヒトラーの忠実な犬としてユダヤ人大量虐殺の主導的役割を果たし、戦後も『私は指示に従っただけだ』として責任から逃れ続けようとしたアドルフ・アイヒマンのような人物」であり、「性犯罪で知られたデイズジャパン(広河隆ー社長)」出身であること、私は、前田さんやユニオンへの相談者等に対して「盗聴」行為を行っていること、私が盗聴器を作動したことなどを認めていること、「デイズジャパン」の私が違法行為である「盗聴」行為・組合潰しを行っていること、私は「ブラック企業」である「デイズジャパン」出身であり、「盗聴」行為を行ったことなどという記事が記載されています。

イ 記事による精神的苦痛

これら一連の記事には大変驚くとともにシヨックでした。この記事は、私がデイズジャパンに在籍していたことを私の承諾なく明らかにしていますが、デイズジャパンを「性犯罪企業」と表現しています。広河氏の行為は女性たちを深く傷つけるものであり、強く非難されるべきことですが、デイズジャパン自体がそのような問題ある行為を行ったわけではありません。しかも、私は、その広河氏の行動に一切関与しておらず、関係ありません。

むしろ、私は、デイズジャパンにおいてパワーハラスメントなどの不当・違法な扱いを受けた被害者です。にもかかわらず、「性犯罪企業デイズジャパン出身であり、そこで深刻な人権侵害を見逃してきた根本」などと表現されることは事実に反します。これを見た方は、私がデイズジャパンにおいて性犯罪に加担してきた加害者だと認識することになってしまいます。

広河氏の報道だけでも私には大変シヨックなことで、今でも辛い気持ちになるものであり、さらにはこの記事で広河氏の問題に加担したかのように書かれたことは、耐え難い苦痛です。広河氏の問題は、現在も検証委員会によって調査が行われており、社会的な関心を集めています。調査結果が発表されるときには、検索サイトなどで検索し、この記事を閲覧する人も増えるでしょう。

そこで、私が実名と顔写真入りで示され、以上のような記事が掲載されることは耐えられません。とても不安です。

また、既に述べましたが、私は「盗聴」などしたことなどありません。私が会話当事者でない会話を録音したことがないことは当然のことですが、私が会話当事者である会話も録音したことがありません。前田さんは、3月14日と18日のことを主として問題にしているようですが、これも録音していません。

18日については、私は録音しようと思いましたが、前田さんに分かるようにICレコーダーを作動させようとしたところ、前田さんが激高したため録音できなかったのです。そのことは、前田さんも後日認めてくれたはずでした。

にもかかわらず、前田さんは、私が「盗聴」という犯罪行為を行ったと繰り返し記事に掲載しています。「性犯罪企業デイズジャパン出身」との記載もあいまって、私が犯罪常習者とするこのような記事を掲載されて私は深く傷つきました。

また、これが多くの人に見られると思うと不安で仕方ありません。前田さんは、本件ブログで私を「ユダヤ人大量虐殺を主導的に行ったアイヒマン」のようだとも表現していますが、これも許される表現ではありません。私が無自覚にユニオンの命令のまま違法行為を繰り返したという指摘です。これも多くの人に閲覧されるかと思うと不安です。

(2)顔写真の掲載

前田さんは、申立書別紙記事番号6①、11①のとおり、私の実名を記載したうえで顔写真を掲載しています。そもそも、私は、前田さんから写真を撮影されることの承諾を求められたことはありませんし、承諾したこともありません。これらは無断で撮影されたものです。

そして、当然、本件ブロダへの掲載も承諾を求められたことも承諾したこともありません。私が「盗聴行為」を行った犯罪者であると指摘したうえでの顔写真の掲載です。決して許すことはできません。私は、私のことを知っている人はもとより、私のことを知らない人からも、このような形で私の容ぼうを閲覧されることに苦痛を感じます。

また、誰でも閲覧できるような状態におかれていることも大変不快ですし、不安です。なお、これらの顔写真は目の部分にモザイクが施されています。しかし、このようなモザイク加工は、記事の内容(盗聴行為を行った犯罪者)とあいまって、むしろ私が犯罪者であるかのような悪印象を与えるものです。また、この程度のモザイクであれば、私のことを一定程度識別することが可能です。

(3)音声等の公開

申立書別紙記事番号11⑧は、(i)「一度の違法行為が人生を変えることもある」「盗聴請負人根本美樹はデイズにかえれ」と記載された画像や(ii)債権者根本の顔写真を無断で掲載しつつ、(iii)私と前田さんとの会話を音声ファイルとして掲載しています。(i)が盗聴を行った犯罪者であると指摘するもので精神的な苦痛を負うものであることは(1)と同様です。

また、(ii)の顔写真の掲載を私が望んでいないことは(2)と同様です。さらに、(iii)は、前田さんが、私との会話を無断で録音した、それこそ「秘密録音」です。しかも、私はこの音声やその文字おこしを本件ブログに掲載することを同意したこともありません。このような私の音声をインタ一ネット上で公開されることに大変苦痛を感じます。

なお、前田さんは、同じ音声ファイルを動画投稿サイトである「YouTube」にアップロードしましたが、私の申立によって、YouTubeによるプライパシーガイドラインに基づく審査を経て削除されました。

5 最後に

私の実名、顔写真、音声、「盗聴行為」を行った犯罪者であることなどが流布されることは極めて大きな精神的苦痛となっています。裁判所におかれましては、本件ブログに対し、速やかに削除の命令を出して頂きますようお願い申し上げます。

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