不当労働行為救済申立書(3月13日)|都労委不第20号プレカリアートユニオン事件

平成31(2019)年3月13日

東京都労働委員会
会 長 房 村 精 一 殿

デモクラティック・ユニオン
代表者書記長   前 田  史 門

〒189-0003 東京都東村山市久米川町
TEL 050―5359―6725
FAX  0433―303―404

不当労働行為救済申立書

 

被申立人の行為は,次のとおり労働組合法第7条2号,および3号に該当する不当労働行為であるので,審査の上,下記の救済命令を発するよう申し立てます。

申立人および被申立人

申立人

所在地 〒189―0003

東京都東村山市久米川町

名 称 デモクラティック・ユニオン

代表者 代表者書記長 前田史門

TEL 050―5359―6725

FAX 0433―303―404

被申立人

所在地 〒151―0053

東京都渋谷区代々木四丁目29―4

西新宿ミノシマビル2F ユニオン運動センター内

名 称 プレカリアートユニオン

代表者 関 口 直 子

(但し,労組法・被申立人規約に則した適法な選挙で選ばれたものではなく,不正に登記された表見代表者である。)

TEL 03―6276―1024

FAX 03―5371―5172

請求する救済の内容


被申立人は,申立人デモクラティック・ユニオンからの平成31年3月9日付の団体交渉の申入に対し,誠実に応じなければならない。

被申立人は,その費用をもって本命令発令後1週間以内に,次のとおりの陳謝文を縦200センチ,横200センチの白紙に墨書し,30日間,被申立人事業所入り口の見やすい場所に提示するとともに,同文の謝罪文を申立人に手交しなければならない。また,本命令発令後1週間以内に日本経済新聞,朝日新聞,読売新聞,毎日新聞,産経新聞の全国版の朝刊に同文の謝罪広告を掲載しなければならない。

 

陳謝文

 

デモクラティック・ユニオン

代表者書記長 前 田 史 門 様

 

このたび当労組が,貴組合からの団体交渉を拒否したことが,東京都労働委員会において,労働組合法第7条2号及び3号で禁じられている不当労働行為と認定されました。

当労組が行った不当労働行為が,当該組合員とデモクラティック・ユニオンに多大な迷惑をおかけしたことを陳謝するとともに,今後,二度とこのような不当労働行為を行わないことを誓約いたします。

 

  年  月  日(掲示または交付する日付を記入すること)

 

〒151―0053

    東京都渋谷区代々木四丁目29―4

    西新宿ミノシマビル2F ユニオン運動センター内

            プレカリアートユニオン

            (適法に選挙された代表者の氏名を記入すること)

 


被申立人は,前項を履行したときは,速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。

不当労働行為を構成する具体的事実

当事者

申立人デモクラティック・ユニオンは,被申立人プレカリアートユニオンの社内労組である。被申立人における様々な個別的労働関係法違反や組合資金の不適切な処分,そして定期大会の不開催という組合民主主義を揺るがす重大な問題の発生を受けて,平成31(2019)年3月2日,未公然の者を含む有志をもって結成された。

被申立人プレカリアートユニオンは,「ブラック企業とたたかう労働組合」を標榜する労働組合である。2012年4月9日に大平正巳氏を代表者として結成され,280名余を組織する。登記面の代表者は関口直子氏であるが,以下及び当組団体交渉申入書(甲第1号証)で説明するように,労組法及び被申立人規約に則して選挙された代表者としての資格がなく,現在の代表者は不明である。

 

不当労働行為救済申立までの経緯

申立人の代表者書記長である前田史門は,平成30(2018)年5月以来,被申立人の書記局アルバイトとして就労していたものであるが,入職以来,被申立人表見代表者である関口直子氏による組合経営,すなわち,ブラック企業と対決するといいながら,①被申立人自らは専従者・アルバイトともに一切残業代を支払わず,有給休暇をとることもできない違法な労務管理をしていることや,②関口氏自身に対しては,(大会ではなく)執行委員会で決定した40万円もの利益相反にあたる業務委託費(行動費と呼称する)を支払っていることや,③米国への外遊や京都でのパーティー出席など出費を重ねながら,会計を一切組合員に閲覧させないことや,最たる問題として,④被申立人定期大会で選挙権を有する代議員の投票に組合員を一切参加させず,自らが指名した都合のよい者に電話をかけて出席させ,または委任状を提出させ,組合員の総意と一切関係がない「定期大会」をでっち上げては自らを役員に任命し続けていること等の重大問題に気がつき,被申立人で働くアルバイトでありながら,同時に被申立人の組合員でもあるため,是正する必要があると考えるようになった。

そうした中,問題意識を共有する同志が現れたことから,前田自らの労働条件に関する限りのことであれば,団体交渉での解決が可能だと考え,平成31(2019)年3月2日申立人を結成し,3月9日には,労働組合結成通知書兼団体交渉申入書を手交した。

 

不当労働行為を構成する事実

申立人が団体交渉を申し入れたところ,被申立人関口氏は,その直後から「前田さん,クセが出ましたねぇ。クセが出ましたねぇ。また,焦って,大事なものを失いましたねえ。」などと発言して申立人を威圧し,しかも,前田が担当していた中央フードサービス事件の残業代算出業務を取り上げた。これ自体不当な仕事外しというパワーハラスメントであり,不当労働行為にあたることから,申立人は「抗議書」(3月12日付,甲第3号証)を発送し,3月26日までに,その撤回または合理的な説明をすることを求めた。

しかしながら,その翌日である3月13日の午後1時頃,被申立人関口氏は,前田に対し,前田が3月6日に請求しており,入職以来,例外なく請求後3日以内に支払っていた賃金や立替金を月末まで支払わないと告げたうえ,「回答書」(甲第2号証)を手交した。

回答書によれば,被申立人は申立人に対して団体交渉応諾義務を負わないので,団体交渉を不開催するという。その理由として,被申立人は,①作業依頼については諾否の自由もあり,②作業時間は本人の裁量に任されており,③作業時間の指定もなく,④専属関係がないので,労組法上の労働者にあたらないという。

しかしながら,労組法上の労働者性に関する判断基準を示した新国立劇場・INAXメンテナンス事件・最判23年4月12日)によれば,一般に,労組法上の労働者にあたるか否かの判断は,大要,次の基準によるという。

①使用者にとって必要不可欠な労働力として組みこまれているか

②使用者が一方的に業務内容・契約内容を決定できるか

③業務を断ることができるか

④労務の提供で指揮監督を受けているか

⑤報酬と労務に対価関係があるか

 

これを本件についてみるに,前田は,①一般に労働契約上の短時間労働者をいう「書記局アルバイト」なる名称で雇入れられ,以後11ヶ月にわたって団体交渉事件の担当から郵便係まで手広く業務に服しており,②団体交渉申入書(甲第1号証)記載のとおり,賃金は時間に対応し,時給額も一方的に決定されており,③回答書には「諾否の自由もある」というが,諾否を確認されたことも,前田が業務を断ったこともなく,④「アルバイト」であることから,当然に,広範な指揮監督を受けており,⑤賃金は時給制であるから,一般的に,労務の対価とえる。

また,回答書には「前田史門氏に交渉担当者から外れてもらったのは……その資質がないと判断したからです」との記載があるが,そのような事実自体がなく,趣旨不明である。今後の執行委員会でそのような決定をする意図を示すものと解釈すべき余地もあるが,そのように,一方的に業務を任せたり,また免じたりすることが可能であると被申立人が認識していること自体,前田と被申立人の関係が委任ないし請負ではなく,雇用の関係に立つことを如実に物語る。なお,今後実際に係る取扱をすれば,労組法第7条1項違反の不利益取扱にも該当することになる。

そうすると,「書記局アルバイト」である前田が労組法上の労働者にあたり,使用者たる被申立人が団体交渉に応ずべきことは明らかである。

したがって,雇用する労働者から団体交渉が申し入れられたにも関わらず,団体交渉に応じることを拒否した被申立人の行為は,労組法第7条2項違反の不当労働行為にあたる。

また,労働組合に憲法上及び労組法上保障された権利である団体交渉権を踏みにじり,団体交渉を拒否する行為は,申立人やその組合員にとってみれば,団体交渉に意味がないかのように思わせることによって組合員の組合活動意思を萎縮させ,労働組合の団結権を否定する結果を招く行為にほかならない。

したがって,被申立人のかかる行為は,労働組合法を遵守した運営がなされている組合の存在を否定し,組合の運営を制約,阻害する行為であり,労働組合法第7条3項にも違反する。

そもそも被申立人,ことに関口氏は,自ら「労働組合は民主主義を活発化するツール(甲第4号証)」とうたいつつ被申立人の設立に参加し,その後,法内組合であるかのように装って度々貴会の不当労働行為救済申立手続に参与しているものである。

他方で,自らが使用者として団体交渉に応ずべき地位に立たされるや否やたちまち態度を豹変させ,書記局アルバイトの労働条件に関する要求事項を「分派活動」「事実に反する不当な言いがかり」「誹謗中傷・名誉毀損」として攻撃することは,労働組合としての品位を著しく損なうものであり,許されない。

よって,本件申立に及んだ。

以 上

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