厳重抗議書(3月14日)|甲第8号証:都労委平成31年不第20号プレカリアートユニオン事件

平成31年3月14日

プレカリアートユニオン 御 中
清水直子こと関口直子 殿

デモクラティック・ユニオン
代表者書記長 前 田  史 門

厳重抗議書

冠 略

貴組合は,当組平成31(2019)年3月9日発「労働組合結成通知書兼団体交渉申入書」に係る団体交渉の申入を拒否しました。

労働組合からの団体交渉の申入を拒否する行為は,労働組合法第7条第2項に違反する不当労働行為です。日頃,「エル・アンド・イー・ホールディングスは不当労働行為をやめろ。」などとアピールしている貴組合が,いやしくも不当労働行為に手を染めたことについて,当組は厳重に抗議するものです。

さて,貴組合発「回答書」にいう団交拒否事由はいずれも当を欠いており,本来,認否に値しないものでありますが,以下,一応説明致します。

まず,第2段落目にいう「労組法上の労働者に該当しない」理由として,「作業依頼については,諾否の自由もあり,作業時間は本人の裁量に任されており,作業場所の指定も専属関係もなく」と主張されますが,一般に,労組法上の労働者にあたるか否かの判断は,

①使用者にとって必要不可欠な労働力として組みこまれているか,
②使用者が一方的に業務内容・契約内容を決定できるか,
③業務を断ることができるか,
④労務の提供で指揮監督を受けているか,
⑤報酬と労務に対価関係があるか,

によります(新国立劇場・INAXメンテナンス事件・最判23年4月12日)。

したがって,貴組合の上記主張は,むしろ労基法上の労働者性に関するものであって,最高裁が判示した基準と対応する主張は,③の業務諾否の自由についての1点のみに留まります。

そして,実際には,前田は,個別の業務ごとに依頼を受けて諾否を確認されたことはなく,現在まで,一度も業務を「断った」ことさえありません(「書記局アルバイト」なのですから,いわば当然のことです)。このように,貴組合の団交拒否の理由というのは,労基法上の労働者性と労組法上の労働者性との判断基準を混同し,かつ,INAXメンテナンス事件という最重要判例さえも踏まえない,大変ずさんなものです。

貴組合は,そのほか縷々述べて当組及び当組による団体交渉の申入を中傷するのですが,当組の団体交渉申入書は,第1段落目にいうように,「執行部の組合運営に対する批判で占められた」ものではありません。

もっとも,経緯の記載として,関口氏ほか一部執行部の違法・不当な組合運営,すなわち,組合員の直接無記名投票を省略した違法な大会を開催したことや,中村氏による妨害行為の危険を一切告知しないでアルバック販売事件の街宣参加方を呼びかけたことや,関口氏が前田に対して恐喝行為を働いたことなど,執行部の一部による不適切な行為を批判する内容は含まれますが,それらを踏まえた要求事項は,地位確認,社会保険加入,一時金,ベア,有給休暇など,労働条件の地位向上に直接関係するものがほとんどであり,執行部批判を趣旨とする文書ではありません。

第2段落目において,前田の雇用について,「組合員であることを前提に」との記載がありますが,そのような動機が労働契約成立に前後して表示されたことはなく,理由がありません。前田は,貴組合員に対する組合員としての権利とは別個独立のものとして,労働契約上の権利を有する地位にあります。
「前田氏に交渉担当者から外れてもらったのは……その資質がないと判断したからです」との記載がありますが,そのような事実はありません。

今後の執行委員会でそのような決定をするということであれば,そのように,一方的に業務を任せたり,また免じたりすることが可能であると貴組合が認識していること自体,前田と被申立人の関係が委任ないし請負ではなく, 雇用の関係に立つことを如実に物語るものです。

なお,今後,実際にそのような取扱をすれば,労組法第7条1項違反の不利益取扱にも該当することになります。

第3段落目において,当組の申入書やビラをもって,「事実に反する不当な言いがかりで……代表者,役員を誹謗中傷,名誉を毀損し……組合員を勧誘,組合内は罰を結成しようとする分派活動」との記載がありますが,当組が申入書やビラに記載したことで,特段事実に反することはなく,相応の証拠を検討のうえ作成しているものです。貴組合において事実誤認を主張されるのであれば,そう主張される点を具体的に摘示し,申入書やビラに表明した当組の認識と対応する形で,誤認である理由を説明してください。

また,もとより貴組合においては,労働組合への二重加入は何ら妨げられるものではなく,「分派活動」なる主張についても,民主的な定期大会の開催を前提とすれば,執行部に批判的な組合員の一団が形成されるのが通常であって,使用者に対する団結を紊す結果を招かぬよう配慮する限度において,憲法上の団結権保障が労働者個々人に与えられたこと及び何人も言論及び表現の自由を有することを鑑みれば,当然に容認されるべきことです。

第4段落目について,貴組合は,定期大会や現執行部による組合運営がもはや既成事実であること及び都労委から資格証明書を得ていることを理由として,組合員の直接無記名投票によって選出された代議員によらない定期大会を正当化しています。

しかし,労組法や規約を知らない者から見れば,係る定期大会が正当であるように思え,又,そこで選出された役員が組合運営の実権を掌握することができるというのは,正当な所有者に運転されていない盗難車が,一見して通常の車と見分けが付かず,その犯人は,実際盗難車を運転することができるという主張と何らことなるところがなく,厚顔無恥の開き直りというほかにありません。

定期大会の正当をいうのであれば,上記のごとき開き直りに終始するのではなく,貴組合規約第12条にいう「組合員の直接無記名投票で選出された代議員」が正当に選出されたことを主張,立証するべきです。もっとも,当組では,既に多数の貴組合員に聞き取りを行っておりますが,代議員選挙の機会を与えられたという者は,現在までに一人もおりません。

また,都労委の資格証明書は,労組法第5条2項については形式審査であり,法に適合する規約が存在することを証明するに留まり,それが遵守されているか否かとは,何ら関係がありません。このような主張自体,関口氏の見識の浅さを露呈するものです。

そして,当組は,貴組合における第一組合として,書記局労働者の地位保全と向上のために,団結して行動する権利を有するものです。貴見のように解すれば,執行部による違法・不当な行為を批判し是正をもとめる行為や,書記局労働者の権利を維持向上するための組合活動は,みな分派活動ということになり,組合員・書記局労働者は,無権利状態に置かれてしまいます。

もとより,組合の方針は組合員の総意に基づき,自由かつ民主的な選挙によって決すべきものであり,関口氏が株式会社のごとく所有し,支配するものではありません。

けだし,当組が理想とする組合活動は,書記局労働者の労働条件に関する限りでは貴組合との団体交渉において,その余については貴組合内における自由な言論と公正な選挙とによって実現し得るものであって,非難はあたりません。

以 上

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