都労委平成31年不第20号プレカリアートユニオン事件:不当労働行為救済追加申立書(3月15日)

平成31(2019)年3月15日

平成31年(不)第20号プレカリアートユニオン事件
東京都労働委員会
会 長 房 村 精 一 殿

( 申 立 人 )
デモクラティック・ユニオン
代表者書記長 前 田 史 門
TEL 050―5359―6725
FAX  0433―303―404

不当労働行為救済追加申立書

標記事件において,被申立人から,次のとおり,新たに労働組合法第7条1,3号に該当する不当労働行為がありましたので,審査の上,下記の救済命令を発するよう申し立てます。

1. 申立人および被申立人

標記事件に同じ。

2. 請求する救済の内容

イ)  被申立人は,申立人組合員が申立人を結成したこと又は申立人から団体交渉を申し入れられたことを契機として,申立人組合員に対して,いわゆる仕事外しなどのパワーハラスメントを行ってはならない。
ロ)  被申立人は,申立人組合員が申立人を結成したこと又は申立人から団体交渉を申し入れられたことを契機として,申立人組合員の賃金支払期を不利益に変更してはならない。
ハ)  被申立人は,前項の不利益変更がなかったものとして取扱い,且つ,賃金支払期を不利益に変更する以前の支払日と実際の支払日との間の期間について,年5分の割合による遅延損害金を支払わなければならない。
ニ)  被申立人は,事実無根の事項を内容とする「警告書」等の書状を申立人や申立人組合員に対して送りつけることによって組合活動意思を萎縮させ,組合の運営を制約,阻害してはならない。
ホ)  被申立人は,その費用をもって本命令発令後1週間以内に,次のとおりの陳謝文を縦200センチ,横200センチの白紙に墨書し,30日間,被申立人事業所入り口の見やすい場所に提示するとともに,同文の謝罪文を申立人に手交しなければならない。また,本命令発令後1週間以内に日本経済新聞,朝日新聞,読売新聞,毎日新聞,産経新聞の全国版の朝刊に同文の謝罪広告を掲載しなければならない。

陳謝文

デモクラティック・ユニオン
代表者書記長 前 田 史 門 様

このたび当組合が,貴組合が結成され,団体交渉の申入を受けたことを契機として,組合員にパワーハラスメントを行い,賃金支払期を不利益に変更し,事実無根のことを内容とする「警告書」を送りつけたことが,東京都労働委員会において,労働組合法第7条1号および3号で禁じられている不当労働行為と認定されました。
当社が行った不当労働行為が,当該組合員とデモクラティック・ユニオンに多大な迷惑をおかけしたことを陳謝するとともに,今後,二度とこのような不当労働行為を行わないことを誓約いたします。

 

年  月  日(掲示または交付する日付を記入すること)

 

〒151―0053
東京都渋谷区代々木四丁目29―4
西新宿ミノシマビル2F ユニオン運動センター内
プレカリアートユニオン
(適法に選挙された代表者の氏名を記入すること)

ヘ) 被申立人は,前項を履行したときは,速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。

3. 不当労働行為を構成する具体的事実

イ) 当事者

標記事件に同じ。

ロ) 不当労働行為救済申立までの経緯

標記事件に同じ。

ハ) 不当労働行為を構成する事実

① 救済内容(イ)について

平成31(2019)年3月9日午前11時05分頃,申立人は,被申立人に団体交渉を申し入れた。
被申立人関口氏は,その直後から「前田さん,クセが出ましたねぇ。クセが出ましたねぇ。また,焦って,大事なものを失いましたねえ。」などと発言して申立人を威嚇していた。

さらに,何ら正当又は合理的な理由がないのに,午後1時15分頃,突如「これは前田さん以外のひとにやってもらうことにします。」と発言しながら事件資料のファイルを没収し,前田が担当していた業務である中央フードサービス事件の残業代算出業務を取り上げた。

これ自体不当な仕事外しというパワーハラスメントであり,不当労働行為にあたることから,申立人は「抗議書」(3月12日付,甲第3号証)を発送し,3月26日までに,その撤回または合理的な説明をすることを求めた。

ところが,翌3月13日,申立人の警告にも拘わらず,被申立人は上記の仕事外しを撤回するどころか,団交拒否という新たな不当労働行為に及んだのである(標記事件本案)。

上記の仕事外し自体,団体交渉申入後,執行委員会の会議を経た2時間10分後の出来事であり,被申立人から何ら弁明がない以上,申立人の結成や団体交渉の申入を契機としたものと考える以外にない。

上記の行為は,申立人組合員が申立人を結成したこと又は団体交渉を申し入れたことを契機として,申立人組合員を差別し,パワーハラスメントによって労働環境を悪化させることによって申立人を威圧し,その運営を制約,阻害する行為に他ならない。

また,被申立人が回答書(甲第2号証)において突如主張したように,「書記局アルバイト」を一種の業務委託者・請負労働者と解するならば,経済的な打撃をも与えることになる。

とすれば,被申立人の上記行為は少なくとも労組法第7条3号にいう支配介入に該当し,予備的には第7条1号及び第7条3号のいずれにも該当する不当労働行為といえる。

② 救済内容(ロ)ないし(ハ)について

平成31(2019)年3月13日午後1時頃,被申立人関口氏は,前田に対し,前田が3月6日に請求しており,入職以来,例外なく請求後3日以内に支払っていた賃金や立替金を月末まで支払わない旨をFacebookメッセンジャー(甲第5号証)及び口頭で告げたうえ,「回答書」(甲第2号証)を手交した。

「回答書」の内容の不当性については本案申立書で詳述したとおりだが,このように,団体交渉を申し入れられたことを契機として賃金支払期を不利益に変更すること自体,労組法第7条1号にいう不利益取扱に他ならない。

このような行為は,申立人組合員に経済的な打撃を与えることで申立人に圧力をかけ,その運営を阻害,制約する結果をも招くことから,第7条3号にいう支配介入にも該当する。

被申立人が突如主張したように,「書記局アルバイト」を一種の業務委託者・請負労働者と解し,賃金をその報酬と読み替えても,結論は変わらない。

③ 救済内容(ニ)について

平成31(2019)年3月13日午後9時41分頃,被申立人は,申立人の代表者書記長である前田に対し,ファクシミリによって,「警告書」(甲第9号証)を送付した。

「警告書」の趣旨は,申立人による団体交渉申入書や広報誌の内容は「事実に反する不当な言いがかりで,プレカリアートユニオンや代表者,役員を誹謗中傷,名誉を毀損」するものであって,「分派活動」にあたるとして,申立人の組合活動をやめるように要求する内容であった。

しかし,被申立人が指摘する団体交渉申入書や広報誌というのは,いずれも,申立人にとって必要不可欠な最低限の組合活動の要素であって,使用者がこれらをやめるように要求することは,組合を解散せよと命じることに等しい。

また,労働組合の内部に労働組合が存在すること自体,労働組合が使用者として人を労働させることがあり得る以上,何ら「分派活動」として非難されるいわれはない。(例えば,海員組合と海員組合従業員労組,中労委平成27年不再第11号事件。)被申立人のように解すれば,被申立人の労働者は憲法及び労組法が保障した団体交渉権を行使して労働条件の維持向上を図ることができず,無権利状態に置かれてしまう。

そもそも,申立人は,3月13日の午後1時頃,「厳重警告書」(甲第8号証)を被申立人に送付し,被申立人の団交拒否時において表明された見解(甲第2号証)を踏まえた上で,

『第3段落目において,当組の申入書やビラをもって,「事実に反する不当な言いがかりで……代表者,役員を誹謗中傷,名誉を毀損し……組合員を勧誘,組合内は罰を結成しようとする分派活動」との記載がありますが,当組が申入書やビラに記載したことで,特段事実に反することはなく,相応の証拠を検討のうえ作成しているものです。貴組合において事実誤認を主張されるのであれば,そう主張される点を具体的に摘示し,申入書やビラに表明した当組の認識と対応する形で,誤認である理由を説明してください。』

と申し入れ,申立人の団体交渉申入書や広報誌の内容に誤りがある可能性も踏まえながら,それを特定するように依頼しているのである。

係る依頼を黙殺しつつ,その約8時間後,まったく同じ文言をもって申立人代表者宛てに「警告書」を送付する行為には,何ら合理性,正当性が認められず,ただ申立人や申立人組合員を威嚇し,代表者個人に圧力をかけることによって組合の活動を抑圧し,ひいては解散に追い込もうとするものと解するほかにない。

また,「警告書」には,「経費の精算について大声を上げ……組合活動を妨害しないように警告します。」との記載もあるが,そのような事実もない。

被申立人による上記の行為は,申立人組合員に対して,事実無根の事項を内容とする威圧的な書状を送りつけることによって申立人組合員に精神的苦痛を与え,団体交渉の申入や広報誌の発行といった最低限の組合活動さえも中止させ,ひいては申立人の解散に追い込むことを目的とした行為に他ならず,労組法第7条3号にいう支配介入に該当する。

上記のとおり,被申立人は,申立人による本案申立にも拘わらず,依然として不当労働行為を繰り返し,申立人の壊滅を企図している。

「ブラック企業とたたかう労働組合」を標榜しながら,その従業員(書記局アルバイト)に対しては,前代未聞の不当労働行為をもって臨み,その資質さえ疑わせるずさんな理由をもって団体交渉を拒み続ける被申立人の態度は,それ自体反社会的であり,許されない。

よって,本件追加申立に及んだ。

以 上

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