プレカリアートユニオン<定期大会出席妨害>事件:勝利和解のご報告

東京地方裁判所での勝利和解

弊所は,このほど,組合員である高木君が債権者となって提訴し,弊所が全面的に支援していたプレカリアートユニオン<定期大会出席妨害>事件(令和元年(ヨ)第21092号妨害禁止等仮処分命令申立事件)について,債務者であるプレカリアートユニオン(東京都渋谷区,代理人弁護士嶋﨑量・中村優介氏)との間で,第4回審尋の期日において,申立の趣旨と同趣旨のことを内容とする裁判上の和解をしました。

事件の経緯

弊所は,平成31年3月2日,プレカリアートユニオンで働く非正規職員(アルバイト)の労働組合デモクラティック・ユニオンとして結成されたところ,結成当初より,団交拒否,賃金の踏み倒し,さらには,弊所の結成を“分派活動”とすり替えての懲戒解雇といった攻撃を受け,組合員全員が職場から排除されながらも,粘り強く闘争を継続してきました。
そうした中,執行委員職制である佐藤智秋氏の横領事件を証拠を挙げて告発し,また,一般組合員に選挙権・被選挙権がないというプレカリアートユニオンにおける定期大会運営上の不正(指名翼賛選挙)を突き止め,これを東京都労働委員会に申し立てて,執行委員長を自称している清水直子こと関口直子氏を,個人として被申立人に追加させる旨の決定(7月19日)を獲得するなど,懲戒解雇されたアルバイト2名の職場復帰とプレカリアートユニオンの運営正常化を目指し,毎月の街宣抗議行動,カウンターアクションといった直接行動にも取り組み,法的な権利行使と現場闘争との両面で,着実に闘って参りました。

新たな不当労働行為

ところが,令和元年8月17日,被解雇者のアルバイトである高木君がプレカリアートユニオン定期大会の大会代議員に立候補したところ,プレカリアートユニオンを占拠している関口直子氏及び特定社会保険労務士である稲葉一良氏(登録番号13180300)は,高木君を,反社会的勢力であると考えられる台湾人の男が所有し,「S」なる素性不明の男が居住する,エレベーターのないビルの5階の一室に呼び出し,統制処分に向けた査問会を開くと通知してきました。
高木君は,所轄警察署からのアドバイスも踏まえ,この場所に行くことはありませんでした。すると,8月19日,関口直子氏は,高木君を1年間の権利停止処分にしたとして通知書を送りつけてきました。
関口直子氏は,もとよりプレカリアートユニオンの代表権がなく,全国ユニオンを管理している関口達矢氏との夫婦関係に基づいて実力でプレカリアートユニオンを占拠している者に過ぎませんが,その点を措くとしても,この権利停止処分の理由とされた,4月28日のレインボープライド2019における組合活動(労働相談)の”妨害”というのは,弊所の統制のもとに取り組んだ正当な労働組合活動であるプラカードアクションのことであり,私法上違法性が阻却されるものであることはもとより,それを理由とする処分は不当労働行為であることから,本人訴訟で闘うことを決めました。
そこで,8月22日,プレカリアートユニオンを債務者として,高木君が,9月14日のプレカリアートユニオンに出席するのを仮に妨害してはならない旨の裁判を求め,提訴しました。

事件の争点

債務者プレカリアートユニオンは,8月30日,日本労働弁護団常任幹事の嶋﨑量(神奈川総合法律事務所),中村優介(江東総合法律事務所)弁護士を代理人にし,高木君の申立を全部却下すること及び申立費用を高木君の負担とするとの命令を求める旨の答弁をしました。
弊所は,

  • 高木君のプラカードアクションは労働相談を妨害していない
  • 高木君に対する権利停止処分が不当労働行為である
  • 高木君に対する権利停止処分は,高木君による,定期大会での関口直子氏らに対する責任追及を恐れてのことである
  • プレカリアートユニオン執行部が選任されたという6月23日臨時大会は不存在又は無効である
  • プレカリアートユニオンでは,権利停止処分になっても,定期大会参加権を剥奪されることはない

の5点を軸として主張,立証活動を尽くしました。
DMUでは,その指針として専従者を置かないことにしており,組合員全員が在職で闘っている中,書面の準備や合綴にも苦労する有り様でしたが,職場や住居が近い組合員が役割分担をして,また昼休み等も活用して高木君の本人訴訟闘争を支え,9月11日には,第4回審尋の期日を迎えました。
この期日において,裁判長からも,出頭した債務者代理人(中村優介弁護士)に対する説得と,和解の強い勧試があり,結局,債務者プレカリアートユニオンが高木君の要求を全部認め,定期大会への出席を妨げない旨の意思表示をしたことから,この条件を確実にするために裁判上の和解という形をとり,本件完全勝利和解に至りました。

総括

本件において注目すべきは,何よりも,弊所の上記④及び⑤の主張に対して,債務者プレカリアートユニオンからは,まったく反論がなかったことです。
裁判所も,第3回審尋の期日(9月9日)において,上記について反論することを債務者に促しましたが,あろうことか,債務者プレカリアートユニオンは反論を断念し,弊所の請求を事実上認諾するに至りました。
上記は,関口直子氏が今までにしてきた権利停止処分を口実とする定期大会,各会議への出席妨害が違法であることや,嶋﨑量・中村優介弁護士への委任契約や報酬支払,関口直子氏自身に対する高額な役員報酬支払の根拠でもある6月23日臨時大会の無効性を自認するものです。
弊所は,今回の完全勝利和解を受けて,プレカリアートユニオンの9月14日定期大会で関口直子氏の責任を追及することはもとより,6月23日臨時大会の不存在を前提とする法的措置を速やかに準備します。
また,プレカリアートユニオンでは,弊所との争議が始まって以来,多くの組合員が紛争に呆れ果てて組合を去り,組合員数は200名前後にまで減少し,多額の報酬と引き換えに,関口直子氏の意のままに弊所への不当労働行為を実施し責任追及を受けている職制者をも対象とするリストラが相次いでいます。
これを放置していては,弊所が都労委で勝利命令を獲得しても,その頃には,既にバックペイ等の支払原資が尽きているということが懸念される状況です。
そこで,6月23日臨時大会の不存在/無効を手がかりとして,日本労働弁護団常任幹事でありながら“ビジネス労弁”に転じた嶋﨑量・中村優介弁護士及び関口直子氏に流出した資金の回収や,会計担当役員でありながら,プレカリアートユニオンから毎年70万円以上の“報酬金”を引き出しており,利益相反行為が疑われる映画監督の土屋トカチ氏への金銭返還請求等,プレカリアートユニオンの資産と労働者の権利を「山分け」している関係者への全面的な責任追及を実施してまいります。

以 上

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