申立人第3準備書面【プレカリアートユニオン(不当労働行為)事件】

申立人                             DMU総合研究所
被申立人                         プレカリアートユニオン 外

申立人第3準備書面

令和3年2月15日

東京都労働委員会 御中

申立人           DMU総合研究所
所 長                             宮  城  史  門

 頭書事件につき,申立人は,以下のとおり主張を補充する。なお,略号等は,本書面で定義するもののほかは,従前どおりとする。

もくじ

第1 被申立人ら準備書面(8)に対する反論等

被申立人らが強固な不当労働行為意思を有していたこと

被申立人らは,平成31年3月17日の執行委員会の録音データである甲38において,被申立人役員である太田美紀社会保険労務士が発言しているとおり,申立人組合員が労働法に基づく権利行使に及ぶこと(甲38の発言番号51),その結果として被申立人らに「損失」が発生することを殊更に警戒し,「仮に負けたとしても」「除名を前提とした権利停止処分」を講じるべきであると考えており,労働委員会での救済命令も織り込んでいた(甲38の発言番号48,51)。

もっとも,その後の議論で,除名を前提とするのはおかしいということにはなったようであるが,仮に労働委員会や裁判所で負けたとしても統制処分にした方が損失が少ないので,法的あるいは倫理的な正当性に関係なく,損失の最小化を図り,機械的・政策的に申立人組合員を統制処分にするという被申立人らの方針は,現在に至るまで何も変わっていない。

このように,被申立人らが,申立人の活動の結果として,裁判や不当労働行為調査に「負け」,本来支払うべきであった賃金を支払うことになるという「損失」を懸念していたこと,本件調査手続を申し立てたことが権利停止処分の決定的動機になったことは客観的に明らかである。

そればかりか,これに続く発言番号61では,被申立人の役員である中山喬介が,要するに申立人が,団体交渉を申し入れる前に,書面での意見表明として被申立人らに相談してくれなかったのが気に入らないという趣旨の発言をした後に,被申立人関口が「失礼ですよね。まったく失礼。失礼すぎますよね。」と言って申立人を非難している。

中山は更にエスカレートし,この時点では,申立人は,被申立人らに団体交渉を申し入れ,広報誌を4枚程度配布し,団交拒否に対抗して本件調査手続を申し立てただけであったにもかかわらず,「マジで。嫁に遊びと思われていますからね,今。朝帰りですかって今入ってきた。」「彼が自分の取った行動に対して,どれだけの人が,どういう迷惑を,蒙るかということも,全然考えていないし,謝るとかもないし,要は自分の主張を,言いたいことに対してだけは,あらゆる手段を使って言う…」として,中山の日頃の生活態度が悪く妻に愛想を尽かされているのをなぜか申立人のせいにしながら,申立人の結成が迷惑である,自己中心的である,謝って欲しい,という趣旨のことを繰り返し放言している。

この後も,被申立人らの暴言,差別発言は続く。発言番号65番では,被申立人関口が,「発達障害の特性じゃないですか。」「場合によっては人格障害の一部があるかも知れない。元々***ことは,好訴的ってか,裁判好き。」と申立人代表者を非難している。ちなみに,この時点では,申立人代表者はいかなる裁判手続も提起していないから,ここで被申立人関口が「好訴的」と指摘しているのは,命令発出後の行政訴訟を前提とする本件不当労働行為調査のことを指している。

発言番号75では,被申立人の役員であるBことB’が「自分を守るというのと同時に,なんだか試したくなる。で,試すっていう行動で,破壊的な行動になったりする。」と発言し,やはり申立人を非難しているが,団体交渉を申し入れてビラを4枚だけ撒くことの何が破壊的なのか理解に苦しむ。

こうして,執行委員会の席上では,その後も,「それが障害の特性なんですよ。」「そういう特性があるっていうことを前提にして。」(発言番号254,256)といった,申立人を結成すること自体が「発達障害」の「特性」であるという被申立人関口の持論を軸とした差別発言とそれに同調する誹謗めいた言辞がこもごも表明された。

挙げ句の果てに,アルバイト労働者の最も基本的な権利である残業代,有給休暇の支給等を目的とする申立人の結成を「エゴ」と位置づけ,徹底的な組合潰しを宣言,豪語する被申立人関口の「自分のまさにエゴなので。エゴでやったことと,私たちがまさに取り組んでいることの違いを,身をもって知っていただく。」(発言番号260)という耳を疑うばかりの非正規差別発言が飛び出し,会議の幕は下ろされた。

以上要するに,被申立人らは,①申立人の活動で残業代等を払うことになり経済的損失を生ずること,②団体交渉ではなく被申立人執行委員会との話し合いという手段を申立人代表者が採らなかったことへの不服,③団交拒否に対して本件調査手続が申し立てられたことに対する不服,④発達障害に対する強烈な差別意識,⑤アルバイトの権利を「エゴ」と位置づける非正規差別意識といった理由から申立人をひどく嫌悪していたわけで,その鮮烈な悪意は上記各発言からも顕著であるから,被申立人らに組合嫌悪の情が存していたことは十二分に認められる。

被申立人らの統制・秩序・組合活動は何ら乱されてないこと

被申立人らは,申立人が結成され,広報誌が数枚配布されただけで被申立人らの統制・秩序・組合活動が乱されたと主張するようであるが,実際には,被申立人らの統制・秩序・組合活動は乱されてない。

申立人組合員らは,解雇されるその日まで,被申立人らの従業員として忠実に勤務していた。被申立人らの規約において禁止されているのは,あくまでも,実際に被申立人らの統制・秩序・組合活動を乱す行為であり,抽象的にそのおそれがあれば規約違反になるわけではない。

そうであるところ,被申立人らは,具体的に申立人らの活動によって被申立人らの統制・秩序・組合活動が乱されたことを何ら主張・立証できていない。

ことに本件においては,被申立人らの「警告」に応じた結果,申立人らは問題の広報誌を4枚程度しか配付できなかったから(甲10),被申立人らの統制・秩序・組合活動には何らの影響もなかった。

申立人は被申立人らの「制止」に応じて広報誌(甲13)の配布を保留していたこと

被申立人らは,申立人があたかも被申立人らの制止に応じずに広報誌を配付し続けたかのように主張するが,全く事実ではない。

申立人は,被申立人らの「警告」を受けて,広報誌の配布を3月21日まで無条件に中止した上で,被申立人らとの協議を申し出ている(甲10)。

ところが,被申立人らは,甲10を黙殺し,申立人との間で広報誌について一切協議することも,内容が事実ではないという理由を示すこともなく,ただ一方的に,申立人組合員らを,統制処分の名を借りて解雇したのである。

申立人は,現在に至るまで,上記広報誌を,被申立人の役員以外にはたったの4枚程度しか配付していない。

行動費の受領有無に関係なく被申立人ら関係者が申立人加入資格を有することに何ら問題がないこと

第一に,被申立人らは,「行動費が残業代になるはずがない」(甲2)として,行動費の受領有無により労働者性が左右されるわけではないという見解を表明し,そのことを前提として申立人組合員らの活動を「分派活動」と決めつけ,解雇している。

そのような被申立人らが,行動費の受領有無と申立人加入資格の正当性を関連付けるかのような主張をすることは禁反言に抵触し許されない。

むしろ,被申立人らが,行動費を受領していようといまいと労働者性を否定する態度を取ってきた,あるいは取ることが予見されたからこそ,結成当時,申立人としては,行動費の受領有無によっては加入資格を峻別することができなかったのである。

このため,申立人は,結局,「プレカリアートユニオンの書記局員を中心とする」労働組合として発足することになった。

第二に,被申立人の総会で配布される決算報告書においては,「行動費」には申立人組合員らアルバイトの給料は含まれず,なぜか「組織化対策費」に分類されていた(甲46)。このように,前提として被申立人らにおける「行動費」の定義が明定されていないのであるから,そのように定義が自明ではないところの「行動費」を受け取っていない限りは被申立人らの「組織内労働組合」である申立人に加入できないという誤解を避ける必要があるから,申立人としては,行動費の有無と加入資格は無関係である旨を表示しておく必要があった。

第三に,仮に,被申立人らに対して労働組合法上の労働者に該当しない被申立人組合員が申立人に加入したとしても,いわゆる労働組合の二重加盟の一般的な問題に従って,申立人での活動が被申立人らに対する規約違反にならない範囲で,申立人の活動に参加することができた。

もっとも,団体交渉が紛糾するなどして申立人と被申立人らの関係が悪化することも考えうる。しかし,申立人の社団あるいは法人としての活動が,個別の活動に参加しなかった者を含む全ての組合員個々人に具体的な法的責任を生じさせるわけではないから,二重加盟となった者は,あくまでも個別の活動において,被申立人の規約に抵触する可能性に十分注意すれば足りたのである。

個別の活動について注意する以外には,例えば,いわゆる東京税関労組事件(昭和55年5月7日,労民集31巻3号575頁)のように,同一の事業所において組合員の取り合いが始まるなどの,具体的な二重加盟の関係を維持できなくなるような問題が発生した場合は,ここで直ちに申立人を脱退すれば,これも全く問題がない。

もっとも,申立人は,当時は被申立人らの「組織内労働組合」であったから,このような懸念は存在しなかった。

第四に,申立人としては,被申立人ら従業員の労働条件の向上等を軸として,被申立人らにおける適法な総会の開催,被申立人関口による会計帳簿(被申立人らの全ての財源及び支出,主要な寄附者の氏名)の隠蔽,直接無記名選挙による役員選挙の不開催などを問題として申立人が結成されたところ,上記の問題行為によって巨額の不労所得を得ている被申立人関口によって申立人の活動が妨害されることは当然予見されていた。

そのような使用者の介入に向けて対抗手段を備えるためには,忠実義務,機密保持義務等が発生する組合加入契約によって申立人の活動に参加する者を法的に拘束することが必要である。

そうであるところ,被申立人らの「組織内労働組合」として,被申立人らの運営民主化,労働条件改善その他の組合活動に携わる可能性がある者に,上記のとおり定義すら定かではない「行動費」に関係なく加入資格を認める申立人規約の規定には,十分な合理性がある。

第五に,被申立人らにおいては,被申立人関口,及びBことB’らが,申立人組合員をアリ地獄のように低賃金で働かせながら,当人はアメリカあるいは冷房の効いた事務所において365日,無為徒食,左団扇の日々を過ごしていた一方で,被申立人らでは,行動費が出ないどころか,雀の波の昼食代だけを受け取り,一日中タダ働きをさせられる者も多数居たのである。

このような者に「行動費」を支払うことを申立人が団体交渉で被申立人らに求めるにあたっては,その者が申立人組合員であることが必要である。

このことからしても,申立人の加入資格を,被申立人らによる「行動費」支給有無によって決定することはできない。

第六に,労働組合員の加入資格は,労働組合が自主的に決定するものであり,使用者がこれに介入することは許されない。

申立人が広報誌等において「引き抜きや分派活動」を一切試みていないこと

申立人は,広報誌及び他の一切の発信媒体において,被申立人らを脱退して申立人に加入することを慫慂する「引き抜き」行為は一切していない。そのようなことをすれば,被申立人らのアルバイトである申立人組合員の生活基盤を破壊することにつながるし,また申立人の「組織内労働組合」という前提が崩壊しかねない。

被申立人らが主張する「分派活動」の定義は不明である(被申立人らの規約でも一切定義されていない)が,申立人は,別の派閥を作って被申立人らを離脱することの呼びかけ等も,当然ながら一切していない。

そもそも,被申立人らの存続を大前提とし,被申立人らの収益の一部が賃金として分配されることを生活の前提としている申立人代表者ら従業員が結成した「組織内労働組合」「プレカリの第一労組」(甲38の発言番号245)であった申立人が,被申立人からの脱退や分派を呼びかけることができるはずがない。また,広報誌等の読み手がそのように理解するはずもない。

つまるところ,被申立人らの定義も根拠もない「分派活動」「引き抜き」云々の主張は後付けの(被申立人らは,3月18日の権利停止処分の時点では,申立人組合員らは労働組合法上の労働者にも該当しないと思い込んでいた)ものである。

申立人代表者らが申立人を結成したのは,あくまでも被申立人ら従業員の待遇向上,そして組合運営の民主化が目的であった。現に,被申立人規約においても,「経営民主化に関すること」は組合の目的とされているところである。

これについて,申立人結成の数日前である2月27日に申立人代表者が被申立人役員であるBことB’と労働条件について話し合った後,同人に対し送信した電子メールを新たに証拠提出する(甲47)。

このメールは,同日にBことB’と話し合った内容を確認するための覚書であるが,同人からは,その内容に異論を述べるなどの返信はなかった。

被申立人らが明白に本件調査手続における救済命令を懸念していること

被申立人らは,3月17日の執行委員会の太田美紀社会保険労務士の,「都労委とか考えて一年」という発言(甲38の発言番号48),これに続く被申立人関口の「都労委の大体の,審査が終わるまでの期間っていう意味ですか」「申し立てていますからねぇ」という発言(発言番号49,51)からも明らかであるように,被申立人らの行為が不当労働行為になりかねないことを十分理解した上で,本件調査手続とその後下されるであろう救済命令を織り込んだ上で,申立人代表者に対する権利停止処分という結論を導いている。

また,発言番号261では,被申立人役員である武内が「権利停止1年にしても,顔合わせることは逆に多くなりそうですね。都労委とか」と発言し,これに次いで,被申立人関口が「まあ,でもずっとここには居ないわけだから」と応じている。

このように,3月18日付権利停止処分の目的が,本件調査手続を申し立てた申立人代表者をとにかく職場から追い出すことであったことは自明である。

以上から,本件調査手続の申立と被申立人らが解雇(権利停止処分)を決意したことには因果関係がある。

申立人は被申立人役員から録音データを受領していること

申立人は,被申立人の役員から,同人も出席した3月17日執行委員会の録音データを正当に交付されている。

被申立人らの主張によれば,そのような録音は,あくまでも「当事者録音」であって「盗聴」ではない,ということだから,少なくとも被申立人らとの関係においては,申立人が録音データを所持していたとしても,特に問題ないのではなかろうか。

令和元年8月18日付権利停止処分が不当労働行為であること

不当労働行為意思に基づくものであること

被申立人らは,遅くとも令和元年3月17日の執行委員会から現在に至るまで,申立人を強固に嫌悪,申立人の結成を「エゴでやってしまったこと」と位置づけ,申立人代表者を解雇した執行委員会の席上で「身をもって知ってもらう。」(被申立人関口)と報復を誓い,その後は手段を選ばない組合潰しを続けている。

このような被申立人らの不当労働行為意思が令和元年8月18日までに消滅したわけではないから,同日付権利停止処分についても,被申立人らに組合嫌悪の情が存したことが推認される。

申立人の抗議活動に必要性が認められること等

被申立人らは,上部団体に書面を送付すればレインボープライドで抗議をする必要はないと主張するようであるが,失当である。

被申立人らから上納金を得ることで収益を上げている被申立人の上部団体が,単に書面が来ただけで,上部団体の収益が減りかねない内容(被申立人らがアルバイトに残業代や有給休暇を支払うことになり,上納金の減資である内部留保がなくなること)を指導するはずがないことは明らかである。

例えば,被申立人らと同じ全国ユニオン傘下の東京ユニオンでも,役員である■■■■■が女性書記を歌舞伎町のハプニングバーに連れ込み,あげくには関係のもつれから解雇するという所謂セクハラ不当解雇事件を引き起こし,週刊新潮にも取り上げられて一大スクープとなったが,全国ユニオンは東京ユニオンを何ら指導・処分しない。

かの全日本海員組合も,従業員や従業員組合に対し,おびただしい数の訴訟,そして御庁での調査手続において使用者として敗訴を重ねているが,やはり,連合は海員組合を一切指導・処分しない。

このように,労働組合が経営者の不当性を訴求し,労働問題の解決を呼びかけるにあたっては,当該経営者と経済的な癒着や利害関係のない一般市民に直接アピールできる機会・場所を見極めて抗議活動をすることが欠かせない。申立人は,これらのことを踏まえて,誰でも自由に立ち入れる代々木公園で開催されるレインボープライドでの抗議活動を選択しただけである。

何より,使用者である被申立人らに「穏当な方法」を云々される謂れはない。

被申立人らによる盗聴・盗撮行為が不当労働行為であること

申立外Aは録音・録画の可否を申立人に確認していないこと

被申立人らの職制者である(一般の組合員ではなく,金を受領して被申立人らの指揮命令に従う者であることは,被申立人らも自認している)申立外Aは,申立人組合員らに対し,そもそも,録音の可否を確認する発言は一切発していない。

録音の可否を,録音の対象者である申立人代表者に確認せずに録音・録画を開始したから,その事に驚いた申立人代表者と口論になったのである。

別件の,被申立人らのテイケイ株式会社を相手方とする御庁不当労働行為調査事件においても,被申立人らは,同社との団交の様子を盗聴・盗撮してインターネットにアップロードした結果,団体交渉を拒否されてしまったと仄聞している。

被申立人らは,盗聴・盗撮行為を巡るトラブルを誰彼構わず起こしているのであり,本件でも,「録音しようとした」のではなく,申立人らに無断での盗聴・盗撮行為に及んだのが事実である。

被申立人らは反組合的な目的で盗聴・盗撮行為に及んでいること 

被申立人らは,録音・録画をすれば申立人に不利な結果が生じること,あるいは録音・録画データを申立人に不利な目的で使用する予定であったからこそ,申立人代表者に無断で,(あたかも■■■■■■の■■■■■のように)■で操縦することが可能な■■■■を使用して,盗聴・盗撮行為を実施した。

本当に,申立人にもメリットがあるから録音することにしたのであれば,申立人代表者に声をかけ,これから録音・録画しますよといって,堂々と許可を取れば良いのである。被申立人らの主張には合理性がない。

実際に,平成31年3月上旬の,申立人らと■■■■以外にはAしか事務所に居なかった際の会話内容である「解雇されたら,街宣活動をすることになるかもしれない」という申立人代表者の発言が,「清水さんに言われて」「前から」■■・■■行為をしていたAにより録取されていたのか,3月17日の執行委員会で引用されている(甲38の発言番号184)。

このように,被申立人らは,反組合的な目的で盗聴・盗撮行為を実施しており,実際に,盗聴・盗撮行為の成果として知り得た申立人代表者と■■■■との間の会話内容を理由として,当然に申立人の弱体化である3月18日付権利停止処分を決定している。

以上より,被申立人らの盗聴・盗撮行為は支配介入となる。

被申立人らによる統制処分の喧伝が不当労働行為であること

被申立人らは,申立人組合員以外の者に対して何らかの統制処分をした場合には,そのことを,一切,被申立人内部で周知・伝達していなかった。

つまり,被申立人は,申立人の組合員だけを狙い撃ちして言いがかりを付け「統制処分」をした上,やはり,申立人組合員の「統制処分」だけを電子メール等で喧伝したから,このことは支配介入に該当する。

また,既に述べた通り,申立人は,被申立人組合員の「引き抜き」を一切実施していない。

被申立人らによる中傷ビラの送付が不当労働行為であること

被申立人らが送付した中傷ビラ(甲19,甲5)の送付先である「賛助会員」には,報道機関及びその関係者も多数含まれていた。

したがって,被申立人らは,中傷ビラを報道機関にも送付している。

被申立人らの法的主張について付言しておくと,団結権は,労働者・労働組合が使用者に対して行使・主張しうる法的権利であり,使用者である被申立人らが,労働組合である申立人に対し「団結権を行使」するのは全くのお門違いである。

支配介入を認定するについては,使用者である被申立人として,その行為が客観的に組合弱体化ないし反組合的な結果を生じ,又は生じるおそれがあることの認識,認容があれば足りるところ,中傷ビラの内容に鑑みれば,それを配布すれば申立人が弱体化しかねない内容であることは明らかであったから,その配布は支配介入となる。

被申立人らによる懲戒解雇通知書(甲11)の掲出が不当労働行為であること

被申立人らは,懲戒解雇通知書(甲11)を掲出したフロア入口の先にある「ユニオン運動センター」と称する共同事務所に「入居」する(東京管理職ユニオンがスペースの一部を貸主に無断で被申立人らに転借していた)団体であり,ユニオン運動センターに根拠地を置く団体10個弱のうちの一つに過ぎなかった。

被申立人ら組合員への周知が目的の掲出ならば,被申立人ら固有のスペースに掲示したり,すでにしたように,電子メールや機関誌に掲載して周知したりすれば十分であった。

したがって,同通知書の掲出は被申立人の「自衛」のためであるとはいえず,申立人に対する支配介入となる。

支配介入を認定するについては,使用者である被申立人として,その行為が客観的に組合弱体化ないし反組合的な結果を生じ,又は生じるおそれがあることの認識,認容があれば足りるところ,懲戒解雇通知書の内容に鑑みれば,そのおそれがあることは明らかであるから,上記行為は支配介入にあたる。

被申立人らに対する求釈明

申立人組合員との「業務委託契約」について

被申立人らは,申立人組合員との雇用関係が「個別の業務委託」であると主張するようである(甲2)。

しかし,申立人代表者は,被申立人関口直子から「アルバイトをしませんか」と誘われ,これを承諾して,時給制で働いていたのである。アルバイトは,社会通念上,雇用形態の一種であるから,当事者間で雇用契約の合意が成立したことは明らかである。上記会話以外に,個別の業務委託に関する交渉や契約は当事者間に存在せず,被申立人らのアルバイトであった申立人代表者は,被申立人らから,個別の業務の受注に関し諾否を確認されたこともない。

現に,被申立人らは,中央フードサービスの業務を,申立人代表者から,やはり諾否を確認せず,業務負荷の軽減が云々といって一方的に取り上げたと自認している。このことも,その関係が雇用契約であったことを裏付けている(業務委託として発注したのであれば,書面で確認した上での合意解約が常識的であろう)。ちなみに,被申立人らにおいて組合員から依頼されたばかりであった中央フードサービスの業務は事件記録1冊分であった。他の2冊は,たまたま机に置いてあった別の事件の簿冊である。

申立人組合員高木についても同様であり,あくまでも時給制のアルバイトであるから,「個別の業務委託」など合意すらしていない。

ところが,被申立人らは,アルバイトである申立人組合員との雇用関係が「個別の業務委託」であることを前提として,広報誌あるいはその他の申立人の発信内容が真実に反すると主張するようである。

そこで,かかる「個別の業務委託」があったと主張する被申立人らにおいて,業務委託契約書などの証拠を提示し,当該契約の存在を説明されたい。

申立人名称,代表者氏名及び肩書の変更の上申

申立人は,令和2年3月28日付定期総会決議に基づき,名称と代表者肩書を変更致しました。

申立人代表者は,現在においては,被申立人らの「組織内労働組合」であった当時と異なり,「前田」という旧姓が通用している被申立人ら関係者と関わりなく労働組合連合会としての申立人の活動を展開するようになったことから,殊更に旧姓を使用し続ければ,あたかも不当な理由から身分を隠しているように見られかねません。

そこで,今後は,平成30年2月1日付父の氏を称する入籍後の現姓である「宮城」を使用致します。

よって届け出ます。

以 上

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