決意声明(令和元年5月28日|初代書記長・前田)

決意声明

ここに、今(悪い意味で)流行の、コンビニにおけるオーナーの過労問題に関する記事がある。

要点だけ引用しよう。

 2017年、西日本のセブン-イレブンの加盟店オーナーだった新山敏朗さん(仮名)は、一縷の望みを懸けてフランチャイズ契約先のセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)の本部に、1通の文書を送った。

「改善提案書」と題されたその文書では、「心身共に限界を超え、このままでは(働く家族)3人のうち誰かが、過労死か過労自殺するかもしれません」と、悲惨な現状が訴えられている。

この店舗では、ふつう25名程度は必要とされているパート労働者が6名しかおらず、不足分は、深夜を中心に、オーナーの新山さんと家族が担っていたという。閉店前3年間は辞めることも休むこともできず、地獄のような日々だったそうだ。

一度きりしかない人生、納品中の事故も起こし、このままでは過労死も危ぶまれる。それを打開するべく、セブンイレブン本部に訴えたが、その返答はしかし冷淡であった。

ところが、本部の回答はそっけないものだった。「貴殿の要望に応じる事は出来ません」とし、24時間営業が必要だとする本部の言い分を列挙。時短営業は「社会の要請に背くことになります」とまで記されていた(写真)。

 

週刊ダイヤモンドより引用(画像のコピーは保管していない。)

新山さんと家族がコンビニでの「労働」から少しだけ解放され、人間らしく健康な暮らしを送ることが、「社会の要請に背く」ことなのだという。「社会」を被害者とする背任罪とでも言いたいかのような、喩えようもなく非人間的な表現だ。DMUの本部付近にもセブンイレブンがある(A3のプラカードを印刷する際など、便利に利用させてもらっている)が、代表前田はじめ地域の誰ひとりとして、オーナーが体を壊し、家族もろとも人生を台無しにしてまで、セブンイレブンを24時間開くことなど要請してはいない。

要請している者がいるとすれば、それは生身の具体的な人間ではない。セブンイレブンという「資本」の要請なのだ。

さりとて、安易に「資本」を批判することほど迂闊な落とし穴はない。セブン&アイ・ホールディングスの有価証券報告書を見ると、その株主の14%弱は一般の個人であり、邦銀と海外の投資法人が各3分の1程度、残余を証券会社その他が保有している構図が浮かぶ。

海外の投資法人は別段、邦銀はそのほぼ全てが上場企業で、そこには別の個人株主がいるのだから、見方によっては、「資本」とは、若干の蓄えがある労働者大衆の総体に他ならないのかも知れないのである。とにかく、王侯貴族だけが資本を所有できた時代と同列に考えるのは明白な誤謬であることは指摘しておこう。

コンビニオーナーの過労問題に話を戻すが、それは、労基法によって保護・救済されない新たな非典型労働としての「オーナー」の労働問題であると同時に、勤労及び資本主義の本質や、社会における共生のあり方に向けた課題といった広汎な論点をも内包している。

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